カナダ横断サイクリング













■ トランス・カナダ・トレイル(Trans Canada Trail)とは
  カナダ建国125周年に提唱された計画で、カナダ西海岸と東海岸それから北極海を結ぶ歩行者、自転車、乗馬、クロスカントリースキー専用の
  道路です。場所によっては、スノーモービルやカヌーなども計画に入っています。当初その距離総合計は16,000キロと言われてました。
  世界で1番長いレクリエーショナル・ロードだそうです。人口の75%の人が、自動車にて15分でコースに入れるそうです。
  翌年の1993年から寄付金をベースにした民間の慈善団体が主体となって開発を行っているそうです。

■ 今回のサイクリング
  日本で一番長いサイクリング道路を紹介している私としては、次は世界で一番長いサイクリング道路を紹介したいと思い、2011年に走ってきま
  した。北極海に向かうルートは省略して、カナダ横断ルートのみを西から東に走ることにしました。
  コースは2000年に発行されたトランス・カナダ・トレイル(以下TCTと略す)の公式案内本に記載された市町村名を辿って行くことにしました。
  州によってはきめ細かなルート案内本が発行されていますが、なかなか入手が困難でブリティッシュ・コロンビア州のみ入手できましたので、この
  州のみは詳細案内本に従い、残りの州は現地で見つけた最良の情報に従って走ることにしました。
  調査の詳細ルールは現地での状況を見ながら決める形で考えていましたので、決まるまでやや不統一の部分が生じている点はご容赦ください。
  調査結果は雑誌New Cycling に14ヶ月間にわたって掲載されました。

  基本的に下記のような形になりました。
   1)2000年計画時点の市町村を辿って進む
   2)市町村で詳細ルートあるいは計画ルートが完成している場合は、そのルートを辿る
   3)詳細計画が決まっていない場合は、市町村を結ぶ道路を辿る
   4)危険な場所は迂回する
   5)約45Kgの荷物を積んだ自転車で走るのが難しい場所は迂回する
   6)天候、宿泊地、日程等を勘案して、難しいと判断した所は迂回する
   7)現地での経験と地図から類推して、サイクリング困難と判断した所は迂回する
   8)トラブル等が生じた場合は、その対処を最優先と考えて先に進む(迂回することも厭わない)

■ 走ってみての感想
  1)殆どが砂利道です。
  2)州によって開発状況に大きく差があります。
  3)各地のBackroadMapbookという本に詳細ルートが記載されていますが、開発レベルが判らず、歩行者しか通れないルートが多くあります。
  4)走行時期が草刈時期と合わないと、草深くて走れないこともあります。
  5)大きな都市は通過しますが、都市間は車の走れない山道や畑道が多いです。
  6)TCTルートがとぎれとぎれの場合には、もともと人通りの少ない道なので、TCT入口探しに、多くの時間を使います。
  7)鉄道の路線跡も、たくさんTCTルートに活用されています。線路を取り除いている最中の所もあります。廃線を待っている所もあります。
  8)これだけ大規模で遠い先を見越した計画を作った人達と、開発を進めている人達に、とても強い尊敬の念を感じます。